耐塩性酵母・乳酸菌



耐塩性酵母“ダイヤデン・イースト”の使用法
酵母( Zygosaccharomyces rouxii )は、試験管内に斜面培養されたものを、宅急便にてお手許にお届け致します。到着いたしましたら冷蔵庫に入れて保存して下さい。
長期保存に耐えませんので、1ヶ月以内にご使用下さい。
拡大培養
試験管内の菌は、ご使用に先立って、貴社に於いて拡大培養する必要があります。
拡大培養の一般的な例を下記致します。


(注)培養法は、静置培養法(1日1~ 2回攪拌するのみ)と、通気培養法(空気を送って酸素補給と攪拌する)があります。静置培養の方が簡単ですが、培養後の生酵母数が、およそ2×107/mlであるのに対し通気培養では、その約10倍の生酵母数(2×108/ml)が得られます。
簡易通気培養例
熱帯魚用の空気輸送ポンプ( 100V , 5W くらいのもの)を使い、最終培養槽のみを通気培養します。(下記参照)途中に綿か、ガラスウールを詰めた空気濾過器を設け、濾過器と、それ以後の部分は殺菌して使用します。先端の発泡部にガラス粉を成型したものを使いますとガラスの粉が酵母と混じることがありますのでご注意下さい。
送る空気は、培養温度に近い温度でないと品温が送風温により変化しますので注意して下さい。
通気培養時間は、1日半か2日で充分です。その後1日ほど静置してからお使い下さい。 すぐ使用されない場合は、上澄をすてて沈殿している泥状の酵母のみを冷蔵庫に貯蔵しておけば場所をとりません。1週間くらいは大丈夫です。

培地
下記組成の“ダイヤデン・イースト培地”を販売しておりますのでご利用下さい。
〈ブドウ糖 2.5 % ・ 酵母エキス 0.5 % ・ KH2PO4 0.5 %〉 5L用と 10L用があります。
上記培地に、食塩を10%と味噌上溜まり、味噌抽出液※または生醤油を2~5%の割合に加え、殺菌して使用して下さい。
※味噌抽出液
味噌(防腐剤無添加のもの)200gに約 500mlの水を加え、50~60℃で2時間ほど味噌の水溶成分を抽出し、次いでこれを濾過します。濾液にブドウ糖25gと食塩を10%濃度になるように(80g)加え、全量が 1Lになるよう水を追加します。
殺菌法
[ 容器 ] 500mlフラスコ ( 三角または平底 ) に綿栓します。 乾熱減菌器で140~160℃にて2時間ほど殺菌します。(綿栓が狐色になるまで) 綿栓の代わりにシリコンなどで出来た栓を使う場合は、この殺菌は必要ありません。
[ 培地 ] 各容器に培地を入れ、これを培養に先立って湿熱殺菌します。方法は、大きく分けて2通りあります。
[ 常圧殺菌法 ] (簡易殺菌法)常圧の蒸気で30分~1時間加熱し、その後に室温まで冷まします。これを3日間繰り返します。
[ 加圧殺菌法 ] オートクレープでゲージ圧力1.2kg/cm2 (約 120 ℃)にて15分加圧殺菌します。この方法では1回で殺菌できます。
添加量
[ 味噌 ] 仕込み時に、種水として味噌1トン当たり 1L添加するのが普通です。(通気培養したものでは1~2×108cfu/mlの生酵母がおりますので、この添加量で、味噌1g当たりおよそ105 cfu/g(10万)個の生酵母細胞を加えたことになります。
[ 醤油 ] 諸味仕込み時に、諸味1kl当たり1L(1石当たり約200ml )くらいを添加して下さい。
耐塩性乳酸菌“ぺディオン”の使用法
乳酸菌( Tetragenococcus halophilus )は、試験管の寒天培地に穿刺培養したものを宅急便で、お手許にお届け致します。到着しましたら冷蔵庫に入れて保存して下さい。
長期保存に耐えませんので、1ヶ月以内にご使用下さい。
拡大培養法
試験管内の菌は、使用に先立って、貴社において拡大培養する必要があります。拡大培養の一般的な例を下記致します。


注意
- 試験管原菌は、1日の培養に、1本を全部使って下さい。
- 培養中にpHが5.0 以下に下がりますと、乳酸菌の増殖が止まりますので、2~3日にカセイソーダで pH 6.5 くらいまで中和して下さい。
- すぐに使わない場合は、培養終了後にも中和し、冷蔵庫に入れて保存すれば1週間くらいは大丈夫です。
培地
“ぺディオン培地”として、溶かせば下記の組成になるように調合した固体培地を販売致しておりますのでご利用下さい。
ブドウ糖 1.0% 酵母エキス 1.0%
ポリペプトン 0.1% KH2PO4 0.5% 5L用と 20L用があります
上記培地に食塩を10%になるよう加えて水に溶きます。さらに、これに味噌溜まり、味噌抽出液または生醤油を2~3%の割に加え、カセイソーダでpHを7くらいに調整し、これを殺菌した後に使用します。
※味噌抽出液
味噌(防腐剤無添加のもの) 200gに約 500ml の水を加えて、50~60℃で、2時間ほど味噌の水溶性成分を抽出し、次いで、これを濾過します。濾液にブドウ糖10gと食塩を10% になるよう(約80g)加え、全量を 1Lにします。
殺菌法
[ 容器 ] 500ml フラスコ(三角または平底)に綿栓します。乾熱減菌器、140~160℃に2時間ほど放置します(綿栓が狐色になるまで)。綿栓の代わりに、シリコン等で出来た栓を使う場合は、この殺菌は必要ありません。
[ 培地 ] 各容器に培地を入れ、これをあらかじめ湿熱殺菌します。方法は大きく分けて 2 通りあります。
[ 常圧殺菌法 ] (簡易殺菌法) 常圧の蒸気で30分~1時間加熱後、室温まで冷まします。これを3日繰り返します。
[ 加圧殺菌法 ] オートクレーブでゲージ圧力1.2kg/cm2 (約120℃)にて15分間加熱します。この方法では1回で殺菌できます。
添加量
[ 味噌 ] 仕込み時に、種水として味噌1トン当たり約5Lを添加します。(培養終了液中には2×108 cfu/ml 以上の乳酸菌がおります。したがって、上記添加量で味噌1gに1×106 cfu/g以上の乳酸菌を添加したことになります。)
[ 醤油 ] 諸味仕込み時に、諸味1kl 当たり約 5L(1石当たり約1L)を添加して下さい。